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乳幼児のRSウイルス
感染症

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RSウイルスは、2歳になるまでにほとんどの乳幼児が感染します1)。また、低出生体重児や基礎疾患のある乳幼児は、特に注意が必要な疾患です。

ここでは乳幼児にみられるRSウイルス感染症の症状などについて説明します。

乳幼児のRSウイルス感染症の症状

通常は、RSウイルス感染症は大人と同様で、多くは軽症ですみますが、初感染乳幼児の場合約20〜30%で気管支炎や肺炎などの下気道症状が出現することがあります2)

生後6か月未満の乳児にみられる症状3)

イライラする

イライラする

活動性の低下

活動性の低下

食欲の低下

哺乳の低下

無呼吸

無呼吸
(10秒以上
呼吸が止まる)

乳幼児にうつる原因1)4)

RSウイルスは、乳幼児にとって非常に感染しやすいウイルスです。RSウイルスの感染経路は2つあります。
1つは、感染者の咳やくしゃみによって、飛散しているウイルスを含んだ飛沫を吸い込むことで感染する飛沫感染です。
もう1つは、ウイルスを含んだ感染者の鼻水や唾液などで汚染された場所に触れた手で自分の口・鼻を触ったり、目をこすることで感染する接触感染です。

飛沫感染

飛沫感染

接触感染

接触感染

特に、家庭内や保育園など、感染者と密接な接触が多い環境では、感染が広がりやすくなります。

感染者と密接な接触が多い環境

感染を広げないために注意すべきことは、主に症状がある小児が兄弟姉妹にうつさないようにすることです。
外出から帰ったら手を洗い、兄弟姉妹で共用するおもちゃなどがある場合は消毒をしましょう。
また、症状のある大人はマスクを着用し、咳やくしゃみをする際にはティッシュや肘で覆い、室内を定期的に換気するよう心がけましょう。

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乳幼児で問題となるRSウイルス感染症とは?

  • infants_06

    2歳までに
    ほとんどの
    乳幼児が感染

  • infants_07

    初感染の場合、
    乳幼児の
    約20〜30%は
    下気道症状が出現

ひとくちメモ
  • 米国において、RSウイルス感染症は「乳幼児が入院する主要な原因の第1位」であることが示されています5)
  • memo02

年間のRSウイルス感染症による発症・入院(日本・乳幼児・推定値)6)

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調査方法の詳細

  • 方法:
  • 日本医療データセンター(Japan Medical Data Center, JMDC)が保有するレセプトデータベースを用い、2017年1月から2018年12月にかけて報告された2歳未満の乳幼児のRSウイルスエピソードによる医療機関受診件数を集計及び解析した。
  • 本研究の限界:
  • 本研究におけるRSウイルスエピソードの定義はICD10コード(世界保健機関:WHOによる、疾患の分類リスト)に基づくものであり、必ずしも検査でRSウイルス陽性と確定診断された訳ではない。また、JMDCのデータベースは複数の健康保険組合より寄せられたレセプト(入院、外来、調剤)及び健診データに基づくため、すべての患者データが登録されている訳ではない。

調査方法の詳細

  • 方法:
  • 日本医療データセンター(Japan Medical Data Center, JMDC)が保有するレセプトデータベースを用い、2017年1月から2018年12月にかけて報告された2歳未満の乳幼児のRSウイルスエピソードによる医療機関受診件数を集計及び解析した。
  • 本研究の限界:
  • 本研究におけるRSウイルスエピソードの定義はICD10コード(世界保健機関:WHOによる、疾患の分類リスト)に基づくものであり、必ずしも検査でRSウイルス陽性と確定診断された訳ではない。また、JMDCのデータベースは複数の健康保険組合より寄せられたレセプト(入院、外来、調剤)及び健診データに基づくため、すべての患者データが登録されている訳ではない。

特に気をつけたほうがいい乳幼児は?

次のような乳幼児の場合には、RSウイルスの感染によって注意が必要とされています1)

乳幼児の場合1)

  • 基礎疾患を有する小児(特に早産児や生後24か月以下で心臓や肺に基礎疾患がある小児、神経・筋疾患やあるいは免疫不全の基礎疾患を有する小児等)
  • 生後6か月以内の乳児
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RSウイルス感染症の合併症として、細気管支炎や肺炎に加え、呼吸発作、急性脳症などが起こることがあります1)
また、RSウイルス感染症に気をつけなければいけない乳幼児に対しては、RSウイルスの抗体製剤が使われることがあります7)

RSウイルスは何度も感染と発症を繰り返す感染症です。
感染した乳幼児から、飛沫や接触によって大人にも感染することがあります4)
特に高齢者や慢性の基礎疾患がある人などと一緒に過ごしている場合は、気をつけましょう。

大人も要注意、
RSウイルスについて知ろう

乳幼児も要注意、RSウイルスについて知ろう

大人の
RSウイルス感染症をみる

  • 参考文献
  • 1)厚生労働省: RSウイルス感染症Q&A(令和6年5月31日改訂) [https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/rs_qa.html, 2024年10月1日確認]
  • 2)国立感染症研究所: 感染症発生動向調査からみる2018年~2021年の我が国のRSウイルス感染症の状況 [https://www.niid.go.jp/niid/ja/rs-virus-m/rs-virus-idwrs.html, 2024年10月1日確認]
  • 3)Centers for Disease Control and Prevention(CDC): RSV in Infants and Young children [https://www.cdc.gov/rsv/infants-young-children/index.html, 2024年10月1日確認]
  • 4)国立感染症研究所: RSウイルス感染症とは [https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/317-rs-intro.html, 2024年10月1日確認]
  • 5)National Foundation for Infectious Diseases (NFID): Call to Action: Reducing the Burden of RSV across the Lifespan [https://www.nfid.org/resource/call-to-action-reducing-the-burden-of-rsv-across-the-lifespan/, 2024年10月1日確認]
  • 6)Kobayashi Y et al:Pediatr Int. 2022 Jan;64(1 Suppl):e14957
  • 7)Centers for Disease Control and Prevention (CDC): Immunizations to Protect Infants [https://www.cdc.gov/rsv/vaccines/protect-infants.html, 2024年10月1日確認]
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